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果実のチカラ通信

Vol.3

CONTENTS

ビタミンC研究の第一人者 石神昭人先生 インタビュー

ビタミンC研究最前線!
ビタミンCの多様なチカラを徹底解明

アンチエイジング(抗老化)を専門に研究されている石神昭人先生。研究を続けるうちにビタミンCの持つ様々なはたらき・効果に気づき、多くの論文発表やメディア出演を通じ、ビタミンC研究の第一人者としても活躍されています。そんな石神先生に、ビタミンCのはたらきについて伺ったところ、想像を超えるビタミンCの力についてお伺いすることができました。

石神昭人先生 プロフィール

東京都健康長寿医療センター研究所 老化制御研究チーム 分子老化制御 研究部長、薬学博士。1990年、東邦大学薬学部大学院にて薬学博士取得。米国国立衛生研究所(NIH)、米国国立老化研究所(NIA)客員研究員を経て東京都老人総合研究所 細胞化学部門の研究員に。2014年より現職。首都大学東京、東邦大学理学部などで教鞭もとる。日本基礎老化学会理事、ビタミンC研究委員会委員、日本ビタミン学会幹事/代議員/トピックス等担当委員。

生きるために必要だが、
人体では作ることが出来ないビタミンC

生命活動において色々なはたらきを持つビタミンC。人間は体内でビタミンCを合成出来ない数少ない生き物のひとつ。しかも約4週間で血しょう中のビタミンCがほとんどゼロになる(※1)ことから、生きている限り、定期的に食べ物などから摂取し続けるしかありません。人間がビタミンCを作れなくなった理由は、進化の過程で果物を食すようになったことと無関係ではないとも言われています。では、ビタミンCのはたらきとは具体的にどのようなもので、不足するとどんな弊害が生まれてしまうのでしょうか?

※1 Pearson WN (1967) Blood and urinary vitamin levels as potential indices of body stores. The American journal of clinical nutrition20, 514-527

高い抗酸化作用で老化の進行を遅らせる
~食品に含まれる栄養素の中でも珍しい活性酸素除去能力~

活性酸素が体内に生じ「酸化」が進むと、DNAやたんぱく質などに変質や破損が起きて老化を早める一因に。食品も酸化すると腐敗や劣化が起こりますが、それと似た現象と言えるでしょう。ビタミンCのもっとも大きなはたらきは、この酸化を食い止める抗酸化作用。「抗酸化」とは、酸化したもののO(酸素)にH(水素)を渡して還元化すること。ビタミンCは還元できるHが2個あり、強い抗酸化力を持つのですが、このような構造を持つ栄養素は珍しいのです。ビタミンC不足によって全身の臓器の活性酸素種が増えるだけでなく(※1)、老化が早まることが最近の研究でも明らかになっています(※2)。ビタミンCには、人体への大きな副作用がほとんど報告されていない(※3)こともメリットのひとつと言えます。

※1 Kondo Y, Sakuma R, Ichisawa M, Ishihara K, Kubo M, Handa S, Mugita H, Maruyama N, Koga H, Ishigami A:Potato chip intake increases ascorbic acid levels and decreases reactive oxygen species in SMP30/GNL knockout mouse tissues. J Agric Food Chem 62 (38), 9286-9295 (2014)
※2 Ishigami A, Kondo Y, Nanba R, Ohsawa T, Handa S, Kubo S, Akita M, Maruyama N: SMP30 deficiency in mice causes an accumulation of neutral lipids and phospholipids in the liver and shortens the life span. Biochem Biophys Res Commun 315, 575-580 (2004)
※3 1日10g以上の多量摂取による下痢、腹痛、発疹など一時的な症状の報告はあり

コラーゲンの重合(合成)をサポート
~健康的な骨・粘膜・皮ふに不可欠なコラーゲン~

骨や軟骨、皮ふや血管を丈夫に保つコラーゲンは、体内のたんぱく質の1/3を占める重要なもの。コラーゲンが骨や皮ふを形作る際には還元鉄が必要となりますが、使われた還元鉄は酸化鉄となって機能しなくなってしまいます。酸化鉄をもとの還元鉄に戻すためにビタミンCが使われるため、ビタミンCが足りなくなるとコラーゲンも不足し、血管や皮ふなどがもろくなります。これが出血が止まらなくなる病気、「壊血病」の正体なのです。

参考: Kishimoto, Y., Saito, N., Kurita, K., Shimokado, K., Maruyama, N. Ishigami, A. : Ascorbic acid enhances the expression of type 1 and type 4 collagen and SVCT2 in cultured human skin fibroblasts. Biochem. Biophys. Res. Commun. 430, 579-584 (2013)

脂肪燃焼成分、カルニチンを作るもと

全身の脂質の代謝に使われることから、一躍ダイエットで注目された「カルニチン」。カルニチンはアミノ酸であるリシンとビタミンCから合成されます。つまり、アミノ酸だけを摂取してもビタミンCが足りなければカルニチンは作られないことが判っています。

参考:Furusawa, H., Sato, Y., Tanaka, Y., Inai, Y., Amano, A., Iwama, M., Kondo, Y., Handa, S., Murata, A., Nishikimi, M., Goto, S., Maruyama, N., Takahashi, R. and Ishigami, A. : Vitamin C is not essential for carnitine biosynthesis in vivo: Verification in vitamin C-depleted SMP30/GNL knockout mice. Biol. Pharm. Bull. 31, 1673-1679 (2008)

アドレナリン分泌に不可欠
~ストレス抵抗ホルモンも、ビタミンCから作られる~

人間はストレスを感じると「アドレナリン」というホルモンを分泌して防御します。アドレナリンのお陰で、ストレス下でも心身の動きが保たれ生命活動が止まらないのです。このアドレナリンは不足するたびに副腎で合成されますが、その際にビタミンCが大量に必要となります。不安や緊張だけでなく、気温差や睡眠不足、喫煙などのストレスでもアドレナリンは減少します。

参考: Amano, A., Tsunoda, M., Aigaki, T., Maruyama, N., Ishigami, A. : Effect of ascorbic acid deficiency on catecholamine synthesis in adrenal glands of SMP30/GNL knockout mice. Eur. J. Nutr. 53, 177-185 (2014)

最新研究で明らかになった、その他のチカラ

この他、石神先生の研究によればビタミンCは加齢によっても減少し、「70~84歳の高齢女性は血液のビタミンC濃度が高いグループのほうが身体能力が高い」(※1) 、「ビタミンCを与えたマウス(ビタミンCを合成できないヘアレスマウス)は紫外線を浴びてもメラニンが沈着しにくい(=シミやそばかすになりにくい)」(※2)といった効果も報告されています。

※1 Saito, K., et al., A significant relationship between plasma vitamin C concentration and physical performance among Japanese elderly women. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2012 Mar;67(3):295-301.
※2 Sato et al., Ascorbic acid deficiency leads to epidermal atrophy and UVB-induced skin pigmentation in SMP30/GNL knockout hairless mice. J Invest Dermatol. 2012 Aug;132(8):2112-5.

人体にたくさんのはたらきを果たすビタミンC、どのように摂取すると良い?

ビタミンCは水溶性で、主に果実や野菜などに含まれます。また、ビタミンCの血中濃度は摂取2時間後がピークとなるため、1日3回以上に分けてとるのが望ましいと考えられます。1日あたりの摂取量は厚生労働省基準で100mgですが、これは壊血病などを防ぐための必要最低限と考えられる量。しかし、加齢や体調不良、喫煙により、通常以上にビタミンCが必要となるのです。過剰なビタミンCは尿で排出され、重篤な副作用も報告されていない(※1)ので、食べ物だけでなく、ビタミンCを多く含む飲み物も上手に活用してこまめに補給したいですね。

※1 1日10g以上の多量摂取による下痢、腹痛、発疹など一時的な症状の報告はあり

ヘルシーな毎日に欠かせないビタミンC、こまめな摂取がポイント!

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